写真:©PAKUTASO
昨年は、フランス語に聞こえる方言や温泉地でのシンクロなど自治体政策の動画がいくつか話題になったが、秋田犬がアイドルになるというエッジの効いた動画で一躍話題となった動画を作成したのが、秋田犬ツーリズムだ。
秋田県大館市と北秋田市、小坂町、上小阿仁村でつくる地域連携DMOの「秋田犬ツーリズム」は、富裕層をターゲットに絞ったインバウンド事業に本腰を入れている。周辺地域を含めて旅行者が回遊できる仕組みを整え、受け入れ体制を充実させる方針だ。
2017~2021年度の5年間を実施期間として、国の地方創生推進交付金の対象事業に採択された。この間の事業費計3億円の50%に交付金が充てられ、海外の旅行代理店への売り込みなどを中心に展開してきた。時を同じくして、平昌オリンピックでフィギュアスケート女子金メダリストのザキトワが優勝のご褒美に秋田犬をリクエストしたことで、その知名度は一気に世界へ広がった。
これまでの2年間は認知度向上と地域の盛り上がりを目指し、次は受け入れ体制整備が必要となる。秋田犬以外の地域資源は、たくさんある。きりたんぽやリンゴの花摘みなどの食、温泉などあるものの、二次交通が発達していないため車のない個人客は巡りづらい状況だ。また今後は、大きな商家だった古民家を5棟を1棟1室として、富裕層向けに1泊10万円程度での提供も考えている。
秋田犬ツーリズムの法人スタッフは現在7人。正職員は5名で、大館市観光課との兼務している人物が2名、なかにはアメリカ国籍の職員もいるが、マーケティングの専門家はおらずスタッフが自ら勉強して方針を立てている。
参照:秋田魁新報社
二次交通が発達していなくても、富裕層はやってくる。その成功例のパイオニアになるのが秋田犬ツーリズムかもしれない。
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