写真:©SBIホールディングス
地方創生の切り札はフィンテックであると言える。SBIの「地銀再興」戦略が教えてくれることを例に説明していこう。
朝日新聞が2018年7月に地銀90行を対象に行ったアンケート調査(複数回答可)によると、地銀の8割以上が「日銀の金融緩和の長期化」と「地域の人口減少」を経営の懸念材料として挙げています。さらに、その半数以上が「収益力向上の難しさ」を訴えていることからも地銀の苦しい経営状況が実感される。地銀として異彩を放ち、順風満帆に見えたスルガ銀行でも、大規模な不正が発覚した。
そうした状況の中で、地銀との連携を通じて地域の活性化を実現しようという前例のないSBIのプロジェクトが本格化しつつある。SBIと地域金融機関の提携は1年半で30行に及んでいる。SBI証券が取り扱う金融商品やオンラインサービスを地域金融機関の顧客に提供する仕組みを構築した手法は、いずれも斬新かつ網羅的で、地銀の収益力を上げるだけにとどまらず、地方のビジネスのあり方をまるごとアップデートするという、フィンテック導入支援の足がかりに壮大ながら考え抜かれた戦略だった。
仮想通貨を含むデジタルアセットは、SBIにとってあくまで「グローバル」展開のためのツールでしかなく、その優れた技術を持つ世界のデジタルアセット関連企業への出資とそれを通じて結集された技術、そのような「グローバル」展開の果実を「ローカル」に結びつけることが、地方における営業基盤の強化につながるとSBIは判断し実行に移した。
地方創生を考える時、「グローバル」と「ローカル」を対立させる発想は意味を持たず、グローバルとローカルを金融という切り口で結びつけるSBIグループの戦略は、極めて理にかなったものと言える。さらに今後の地方創生においてフィンテックは要となるのだ。
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