ラグビーワールドカップの開催地の一つとして注目されていた地方都市、大分県。
九州の温泉街として、湯布院・別府を擁し昨今のインバウンド需要を受けて「ONSENツーリズム」を推進している。
そんな中、国内外で高級リゾート開発を手掛ける星野リゾートや英大手ホテルのインターコンチネンタルホテルグループが欧米豪の富裕層の誘因を想定したラグジュアリーホテルを、今夏開業した。
また、地場で最大の収容客数を誇る杉乃井ホテルは、総工費400億円超を投じて、3棟あるうち最も古い建物を解体し残り2棟を改修をする大規模リニューアルを行っている。改修後は全4棟となり、富裕層向けの棟も建設される予定だ。杉乃井ホテルといえばファミリー利用がしやすい価格帯とサービスが売りだが、今までのサービスを守りつつ富裕層を取り込んでいくという住み分けを図る。
別府は温泉湯治場としてスタートし、高度経済成長期には社員旅行や修学旅行などの団体需要を取り込み、年間600万人の観光客を呼び込んでた。しかしバブル経済が崩壊で、社員旅行の中止や縮小の煽りを受け年間400万人規模にまで落ち込んだ。しかし、現在では880万人超まで観光客を伸ばし増加基調が続いている。
欧米豪向けの観光地として、今までは東京、京都などの観光地が主流だったが、最近ではニセコに代表される「スキーリゾート」が注目を集めている。温泉地としては別府だけでなく、箱根や熱海などもインバウンド拡大を図っている。そのなかでも2019年のラグビーワールドカップで大勢の欧米豪の富裕層が訪れると想定される大分県や別府では、欧米豪のインバウンドの新たな観光資源に“オンセン・スパリゾート”が受け入れられるかの試金石になるだろうと注目されている。